今年は秋があるような無いような…気候に振り回される日々ですが、最近はようやく暑さも落ち着いてきて行楽日和という感じですね。
夏のフランスに引き続き秋休みと称して、(せっかく涼しくなってきたところですが)まだまだ暑い台湾へ行ってきました。
この日は夕方ごろから九份へ、ジブリ映画の舞台に似ていることで有名になり観光地化してきている「阿妹茶樓(アーメイチャーロウ)」に行けたら最高だな!と向かいます。
台北駅からバスやタクシーなどに揺られること約1時間…メディアや雑誌で見るよりも、ギュッとコンパクトな街、九份に到着しました。
九份は一時は金鉱で栄えた街ですが、金の採掘が始まる前は元々9世帯しかなく、物を買う際は9世帯分をまとめて買い物していた為いつも「9つ分」と言って買っていたことから、次第に「九份」と呼ばれるようになったそうです。
金鉱が閉山されると街は廃れていきましたが、映画のロケ地になったことで再ブームが起きたり、最近は特にジブリ映画の舞台に似ているという噂で有名になったことが大きいようで、すっかり観光地として賑わっていました。
石造りの階段や木造の建物、赤い提灯など、ノスタルジックでレトロな風情を味わえます。
ただし道幅が狭く、人が多くて大変混雑するのはネックです。
最近は有名な観光地の人混み問題がよく浮上していますが、対策や解決策は容易にはいかず難しいですね。
そして猫ちゃんにも出会えます!
この日はごはんタイムと重なって、室内に入ってごはんを食べている猫ちゃんが多かったですが、至る所に自由に行き来する猫ちゃんたちがいますよ。
さて、今回の目的の一つであるお茶屋さん「阿妹茶樓(アーメイチャーロウ)」、日本語で「あめおちゃ」ですが、ご存知の通りすっかり有名になっておりまして、行ってはみたものの並んで入れず、時間が足りずに泣く泣く帰る観光客もいらっしゃるそう。
弾丸で下調べもそこそこに向かった為そんなこととは露知らず、現地に行って初めてその情報を聞き、これはヤバイと九份に入ったら先ずはそこへ行って並ばねば!と慌てて店前まで行きました。
その甲斐あってか、幸いにも割とスムーズに入ることが出来ました。
ですが、絶対に行きたいと思ってる方は混む時間帯など要確認ですし、何より予約が一番安心です!
店内に入ると、スタッフの方が席へと案内してくれます。
この時、店内席でOK?と訊いてくれたので、混雑状況によってはテラス席を希望できたりするかもしれません。
おすすめはやはり眺望の良い3階のテラス席らしいのですが、人気なので、店内の方がスムーズには入れそうな気配です。
今回は「店内のこの席だったらすぐに案内できるよ」と示された席にスッと入ったのですが、ちょうど窓際の席だったのでラッキーでした。
席に着くとメニューの説明をしてくださるのですが、「今はお茶セットのみで1人300NTD。HotとIceどっちがいい?」と確認され、せっかくならとHotを注文しました。
気候的には冷たいお茶も魅力的だったのですが、Hotの方がイメージしていた台湾茶をいただける感じがしたので温かいお茶に。
お茶は高山烏龍茶で、始めはスタッフの方が説明しながら1杯目のお茶を淹れてくださいます。
しかも台湾を訪れて終始思ったのが、かなり日本語が通じるということです。
ここでも例に漏れず、すっかり日本語で説明をしてくださったので、よく分かって助かりました。
詳細な写真が無くて恐縮ですが、簡単に飲み方を説明しますと…
まずは茶器の急須や湯呑み等を温め、コロコロとした特徴的な茶葉を急須に入れます。
茶葉はおよそ4分の1ほど急須に入れ、残りの4分の3(急須3回分)は、自分たちで自由に淹れて飲むことが出来ます。
茶葉の入った急須にお湯を注ぎ、「始めは茶葉を洗うだけ」とお湯を流してしまいます。
それからまた急須に溢れるほどお湯を注ぎ、40秒ほど待って、2種類ある器のうち細長い方の器にお茶を注ぎ入れ、もう一つの空の湯呑みをピッタリ上にかぶせ、クルン!中のお茶が溢れないように上下をひっくり返して茶托に置いてくださいました。
あとは細長い方の器をそっと持ち上げて、中のお茶は湯呑みに移り、元々お茶が入っていたの方の茶器から香りを楽しんで、お茶をいただく…という流れだそうです。
写真左の細長い茶器が、香りを楽しむ茶器。
写真中央の小さい湯呑みでお茶を飲みます。
言われたまま香ってみると、本当にいい香り!この香りだけで癒されます。
それからお茶を一口…はぁ〜…美味しい……としみじみ落ち着く一杯。
比べるのも烏滸がましいですが、ペットボトルや缶の烏龍茶とは、全くの別物。
やはり淹れたての烏龍茶は香りが良くて苦味や渋みもなく、クリアーで本当に美味しいですね。
1回分の茶葉で、5杯ほどのお茶を飲むことができます。
2煎目、3煎目、4煎目…と、10秒ずつくらい、お湯を入れてからの時間を延ばしていくそうです。
急須で4回分の茶葉を最初にくださるので、1人およそ20杯分くらいは飲むことができる計算です。
床に、テーブル毎に火鉢のようなものがあり、特大の急須のようなヤカンのようなポットが置いてあって、常にお湯を置いておいてくださるので(定期的にお湯の量をチェックしにスタッフの方が見て回って足してくださいます)惜しむことなく、たっぷりのお湯で贅沢にお茶を淹れて堪能できます。
さらにはお茶菓子も付いてくるので、まったりゆったり寛いで、1時間以上はゆうに楽しむことが出来ました。
お茶菓子は写真右から、芝麻片(胡麻煎餅)、黑糖麻糬(黒糖餅)、奶梅(干し梅)、緑豆糕(台湾式落雁)です。
個人的には緑豆糕が大ヒット!日本の落雁と違って、ほろほろときめ細かく和三盆を思わせる優しい口当たりですが、甘さはグッと控えめで、きな粉をしっとり固めたようなお菓子でした。
ここのは中に少量の餡子(甘納豆のような感じ)も入っていて、お茶菓子にぴったりです。
芝麻片は説明のあった通り、まさしく胡麻煎餅で、非常に馴染みある味わいでした。
パリパリサクサク胡麻風味…間違いない美味しさですよね。
黑糖麻糬は、黒糖味のきび団子のような感じで、まぶされたきな粉も含め、こちらも慣れ親しんだ味わい。
奶梅はちょっと独特で、日本の干し梅のようなものなのですが、梅の砂糖漬けドライフルーツといった感じで、干し梅よりも水分量があり甘かったです。
梅干しを想像して多少は酸味があるのかと思ったので、ぜんざいに塩昆布を添えて出すみたいに、甘いお菓子と梅干し…甘いしょっぱい(酸っぱい)になるラインナップなのかと、個人的には最高だな!と思ったのですが、実際は全部甘いお菓子でした。
ちょっと予想が外れましたが、どれもクセになる美味しさで、ちょこちょこお菓子をつまみながら、たっぷりの烏龍茶を堪能しました。
気づくと時間があっという間に過ぎていて、九份観光が阿妹茶樓だけで終わってしまうところでした(笑)
日中歩き回り、九份の急な石段を上って疲れた足腰もすっかり癒える頃、お店を後に。
入店前は列に並ぶこと優先で、ゆっくり眺められなかった外観を少し上ったところからパシャリ。
ここからもう少し上の方も目指します。
阿妹茶樓からもう少し上って最初の交差点を右に向かうと、パイナップルケーキの老舗「江家餅舗」があります。
ここは昔から手作りにこだわり、今も店内で全て行っているそうです。
その為、試食は出来たての温かいものを食べさせてもらえ、サクホロ美味し〜い!
これは買ってしまいますね!
家でもトースターなどでリベイクして温めて食べたらもっと美味しいのかもな…と思いつつ、結局そのままでも美味しくてパクパク食べちゃいました。(できたらまたいつか別の記事でご紹介します)
さらに進むと、絶景ポイントとして有名なフォトスポットがあります。
夜景を眺めながら一息ついたら、もと来た道を戻り、交差点からさらに上を目指すか(昔からあるタロ芋団子屋さんと昔の九份小学校があります)、直進して商店街を眺めるか(こちらも昔からあるタロ芋団子屋さんや草もち屋さん、お茶屋さんなどがあります)、下って帰路に着くか…といった感じです。
あまり小道などに入ると慣れていない人は迷うそうなので、初めての方は上記の大通りくらいにとどめておいた方が安心なようです。
結構坂が多くて足場も悪いので、九份観光は、体力のある内にぜひ(笑)
阿妹茶樓(アーメイチャーロウ)あめおちゃの場所はこちら。
台湾といえば夜市!こちらの記事もどうぞ!